「アスペの人って、どこか顔つきが独特だよね」
「アスペルガーの人って整った顔してる人が多い気がする」
「大人なのにどこか幼く見える」
そんな声を耳にしたことはありませんか?
実際、「アスペ(ASD=自閉スペクトラム症)の人には一定の顔つきの傾向がある」といった声はよく聞きます。特に「童顔」「整っている」「表情が固い」などの意見が目立ちます。私もアスペですが、よく童顔といわれますし、一方で表情が硬い、怖いといわれることが多いです。
そこで今回は、アスペの人に見られる顔つきの特徴について、当事者や周囲の人々の声を交えながら掘り下げていきます。
医学的な裏付けはあるのか? なぜそのような印象があるのか?を、なるべく偏見を避けて丁寧に解説します。
そもそもアスペ(ASD)とは?
まず簡単に前提を整理しましょう。
アスペルガー症候群は現在、医学的には「自閉スペクトラム症(ASD)」に含まれます。
主な特徴は以下の通りです:
- 対人コミュニケーションの苦手さ
- 興味の偏りや強いこだわり
- 感覚の過敏さ(音・光・肌触りなど)
- 知的には問題がないことも多く、「一見普通」に見えるケースが多い
この「見た目は普通に見えるけど、どこか違和感がある」という点が、顔つきに対する印象と関係していると考えられます。
アスペの人の顔つきの特徴①:童顔に見られやすい
アスペの人は、「年齢より若く見える」「顔があどけない」と言われることがあります。
🔍なぜ童顔に見えるのか?いくつかの理由
- 表情の動きが少ない(筋肉が動きにくい)
- 感情を顔で表現するのが苦手なため、無表情に近いことが多いです。
- 年齢相応の“シワ”や“たるみ”が少なく見える=若く見える原因に。
- 目の大きさ・パーツの整い方が目立つ
- 無表情だと、目や鼻などのパーツそのものが際立つ。
- 顔の余計な動きがないため、「人形のような顔立ち」と言われることも。
- ファッションや髪型が年齢に合っていないことも多い
- 流行や世間の「大人らしさ」に無関心で、学生のような服装・髪型をしている人も多いです。
- その結果、実年齢より若く見られがち。
- 精神年齢のズレと外見の印象が一致することがある
- 感情表現が素直だったり、純粋な印象を与えたりするため、結果的に「幼く見える」印象を持たれます。
アスペの人の顔つきの特徴②:整った顔立ちに見える
実は、アスペの人が「顔が整っている」「美形」と言われるケースも珍しくありません。
もちろん、これは医学的に証明された話ではありませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
🔍「整って見える」と言われる理由とは?
- 顔の筋肉の緊張が少ない
- 感情を表に出す頻度が少ない=シワや癖がつきにくい。
- 肌のハリが保たれやすく、顔の形が左右対称に見えやすい。
- 無表情=静止画で見ると美しい
- アスペの人は写真写りが良いと言われることもあります。
- なぜなら「自然な表情」がないぶん、ポーカーフェイスな静止画が“彫刻的”に映るからです。
- 個性の主張が少ない=バランスが取れて見える
- 多くの人が表情や仕草で印象を作っているのに対し、アスペの人は「顔立ちそのもので勝負している」ような印象を持たれやすい。
当事者としての実感:僕も「若く見える」「顔立ちが整ってる」と言われることがある
ここで僕(ASD当事者)の話を少し。
僕は30代ですが、今でも「20代後半くらいに見える」と言われることがあります。
髪型も学生時代からほとんど変えていませんし、服もシンプル。無表情でいることが多いので、写真では「真顔がきれい」と言われることも。
ただ、自分では「顔立ちが整ってる」と思ったことはありません。
むしろ「人の顔色が読めない自分」がコンプレックスで、写真に写るのも苦手でした。
でも最近では、「童顔」「整ってる」は**アスペの特性が生んだ“副産物”**なのかもしれないと、少し前向きに捉えています。
医学的に見て「アスペに顔つきの傾向はあるのか?」
現時点で、ASDと顔つきの因果関係を証明する医学的研究はほとんどありません。
ただし、いくつかの研究で以下のような指摘はあります。
- ASD児の一部に、顔面発達の微細な特徴(額が広い・目が離れているなど)が見られるという報告
- 顔の筋肉の動かし方・表情のパターンに定型発達との違いがある
- ASD児の表情認知や表出に関する研究は多く、結果として「印象に残る顔つき」になることがある
つまり、医学的な裏付けは十分ではないものの、見た目の印象に「傾向」がある可能性は否定できないというのが現状です。
顔つきだけでアスペかどうかを判断するのはNG
ここで一番大事なことをお伝えしておきます。
✅ 顔の特徴だけで「この人アスペっぽい」と決めつけるのは危険です。
童顔でも整った顔立ちでも、それがASDの診断基準になることは絶対にありません。
見た目だけで発達特性を判断するのは誤解を生みやすく、偏見やスティグマにつながるリスクもあります。
あくまでこの記事で紹介したのは、「そう言われることが多い」「印象として語られやすい」話に過ぎません。
まとめ:アスペの顔つきは“個性の一部”
アスペの人に「童顔」「顔が整っている」といった印象が語られることはありますが、それはあくまで一部の傾向にすぎません。
表情の動きや雰囲気、コミュニケーションスタイルが影響して、結果的にそう見えることがある、というだけです。
人は誰でもそれぞれに違いがあり、顔つきにも性格にも多様性があります。
もしあなたが「アスペかもしれない」「見た目のことで何か言われたことがある」と感じているなら、その個性は自分を責める材料ではなく、理解の入り口にしてほしいと思います。
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