人間関係

アスペの僕が「人間関係が苦手な理由」を正直に語る

こんにちは。僕はアスペ(ASD:自閉スペクトラム症)と診断されている30代男性です。

学生時代は「ちょっと変わってるけど真面目なやつ」くらいの認識で済んでいたのですが、社会に出てから人間関係で何度もつまずきました。
雑談が続かない、気を遣ってるつもりでも「冷たい」と言われる、頑張っても空気が読めてない——

今回は、「なぜアスペの僕が人間関係を苦手とするのか」について、自分自身の経験をもとに、できるだけ具体的に書いていきます。
同じように悩んでいる方や、アスペの特性を理解したい方の参考になれば幸いです。


「人間関係が苦手」とはどういうことか?

まず前提として、僕にとっての「人間関係が苦手」とはこういうことです:

  • 初対面の人と何を話せばいいか分からない
  • 距離感の取り方がわからず、急に距離を詰めすぎたり逆に遠ざけすぎたりする
  • 相手の機嫌が読めない。怒ってる?疲れてる?楽しんでる?が判断できない
  • なんとなく場にいるだけで神経を使いすぎて、後でぐったりする
  • 「普通の雑談」が地味に一番苦痛

僕にとって、人間関係は知識や理論では理解できても、感覚的にうまくいかないものなんです。


1. 表情・感情の読み取りが苦手

僕は人の顔色を読むのが苦手です。
「楽しそう」「ムッとしてる」みたいなニュアンスが、顔を見ただけでは分かりません。

たとえば、上司に「じゃあこれ、よろしく」と言われたとき。
声のトーンや言い方で、「嫌そうに言ってる」「怒ってる?」と感じる人もいると思いますが、僕にはそれが分からない。
だから真顔で「はい」と返すと、「やる気なさそう」と思われてしまう。

表情が読めないだけでなく、自分の表情や反応も薄いので、誤解されやすいのも悩みです。


2. 暗黙の了解がわからない

社会って、「言葉にしないルール」で動いてることがすごく多いですよね。

たとえば、職場でのちょっとした飲み会で「空気読んで2軒目に行く」みたいな文化。
僕は正直に「今日は疲れてるので帰ります」と言ったら、空気が読めないやつ認定されて距離を置かれました。

他にも、

  • 「新人は雑務を率先してやるべき」
  • 「その場のノリで冗談を返すべき」
  • 「みんなが手伝ってるなら自分もやるべき」

こうした暗黙の了解に従うことが、僕には非常に難しいんです。だって、誰も明確に言ってくれないから。


3. 感情の整理ができない

よく「アスペは感情がない」とか言われがちですが、それは違います。
むしろ感情は強くあるけど、整理できていないんです。

たとえば、自分が叱られた時、心の中では、

  • 「悔しい」
  • 「申し訳ない」
  • 「でもちゃんとやったのに」
  • 「なぜ伝わらないんだろう」

…と複数の感情がいっぺんに湧いてきて、自分でも何を感じてるのか分からなくなるんです。
その結果、無表情や挙動不審になってしまい、「何考えてるのか分からない」と言われる。

感情の交通整理ができず、それが対人関係のズレにつながるのを、何度も経験してきました。


4. 会話が一方通行になりやすい

僕は好きなことに関しては、ものすごく話が止まらなくなります。
でも、相手が興味あるかどうかに意識がいかない。

たとえば、昔バイクにハマってたとき、会社の人にエンジンの構造とかカスタムの話を延々してしまって、後から「マニアックすぎてついていけなかった」と言われました。

逆に、相手の話を聞く側になると、

  • 「どこで相槌を打てばいいのか分からない」
  • 「話題がどこに向かってるのか見えない」

という状態になって、ぎこちない聞き役になります。結果、会話が盛り上がらず、孤立します。


5. 人と一緒にいると疲れる

これはアスペの中でも個人差がありますが、僕は感覚過敏気味で、人と一緒にいるだけで疲れます。

  • カフェの雑音
  • 相手の話すスピード
  • 目を見て話すプレッシャー

こういった細かい刺激が、無意識に体力を削ってくるんです。
そのため、1時間誰かと過ごしたら、2〜3時間は一人で休みたくなります。

でも「付き合いが悪い」「すぐ帰る人」と思われ、人間関係が続きにくいという現実もあります。


社会で「うまくやる」ことが正解とは限らない

アスペの僕にとって、人間関係は「戦場」です。
常に地雷原の上を歩いてるような緊張感があって、正直なところ、頑張るほど自信をなくすことが多いです。

でも最近は、無理に「普通」に合わせるのをやめて、自分に合った人・環境を選ぶようにしています。

  • 価値観が近い人と深く付き合う
  • オンライン中心の仕事に切り替える
  • 自分の特性をオープンにして働ける職場を探す

そうすることで、少しずつ「人と関わること」が怖くなくなってきました。


まとめ:苦手を責めるより、工夫で乗り越える

アスペの僕が人間関係を苦手とするのは、「性格が悪い」からでも「怠けている」からでもありません。
脳の特性によるギャップがあるだけなんです。

うまくいかない自分を責めるより、どうしたら少しでも楽に人と関われるかを考えることのほうが、よほど建設的です。

同じように人間関係に悩む方へ。
「苦手=終わり」じゃないです。
僕もまだ模索中ですが、一緒に少しずつ、やっていきましょう。


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